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2005年12月 3日 (土)

県内全市町村で手話通訳者派遣事業立ち上げ

 私が住んでいる静岡県で今一番ホットな話題は、平成16年度からスタートした県内全市町村での手話通訳派遣事業立ち上げの話題でしょう。今日は長文になりますがそれについて記しましょう。

 事の初めは平成15年6月、同年秋に開催される全国障害者スポーツ大会「わかふじ大会」にむけて全県で取り組んでいる中、社団法人静岡県聴覚障害者協会(静聴協)・静岡県手話通訳問題研究会(静通研)合同会議の場で、「平成16年度から県手話通訳者派遣事業を廃止し、全ての市町村に手話通訳者派遣制度を立ち上げる」方針だと県から話しが伝えられました。その時から静聴協・静通研は障害者国体と派遣制度の二つの大きな課題を抱える多忙な日々が始まりました。
 それまで、静岡県ではいくつかの市町で手話通訳者派遣事業を実施してして、それらの市町に住む県民の割合は80%以上でした。しかし、逆に想像すればろうあ者の20%の方々は一番身近な町村で通訳の保障が受けられない状態で県派遣事業を利用していたのです。これら派遣事業未実施の町村に派遣事業を立ち上げるべくかねてから働きかけをしてきましたが、ここで一気に具体化しそうな流れの中、静聴協・静通研は極めて重要な提起と受け止め、協議を開始したのです。
 両団体が一番危惧したのは「制度はできたが内容が貧弱だったり地域間でバラバラだったり」という状態です。そこで、派遣制度にばらつきがでないよモデル要綱を作成し、市町村に示しながら制度を立ち上げていく方法で取り組みを進めていくこと県に申し入れ、合意しました。モデル要綱の作成には何度も会議が重ねられました。この作業は今までの私たちの取り組みを改めて整理することになりました。通訳制度の理念、手話通訳の専門性評価等、私たちはどのような制度を望んできたのか?また、今考えられるベストの制度はどのようなものか?を明文化する取り組みといえます。
 全県下を統一するモデルの作成は初めての取り組みです。派遣事業がない町村では聴覚障害に対する理解もないのが残念ながら現実です。下手をすれば今後さらに市町村間で制度の格差や理解の度合いの差が大きくなっていく、との危機感を持ちながら取り組みは進み、16年度4月から2町を残して全ての市町村で手話通訳者派遣制度ができました。併せて、県派遣事業も聴障団体行事などで通訳が必要な場合、派遣できるように制度を残すことになりました。
 今回の取り組みの成果は、制度面では「手話通訳はろうあ者健聴者双方に必要なものであり、併せて専門性の高い仕事である」と県も理解し、県派遣事業の要綱を改正し(例えば専門性の一つの評価ともいえる通訳料は3,180円/1時間となる)市町村派遣事業のモデルとなったこと。関連して、「人材育成は県の仕事」と役割を整理したため、手話通訳者養成事業や現任研修などの予算の大幅増額(平成17年度では年間約1千万円)があげられます。運動面では特に派遣事業のなかった地域で手話サークルとろうあ者が一緒になって、行政との関係作りをしながら事業が立ち上げに取り組んだことです。それにより、多くの町村でも聴覚障害者の生活や手話通訳の必要性に対する理解が進んだ、といえるでしょう。
 そして、市町村派遣事業が立ち上がりろうあ者や手話通訳者にどのような影響があったのか、今各地域の通訳者団やろうあ者集団にアンケートを実施しています。どのような評価がでるか、楽しみでもあります。

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