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2010年4月12日 (月)

レクイエム 井上ひさし氏

 私が夢中になって読んでいた作家がまた一人鬼籍に入りました。
 一番最初に彼の長編ものを読んだのは「吉里吉里人」でした。二十歳をすぎた頃です。ちょうど、学校の先輩から勧められた、高橋和巳の「邪宗門」を暗い気持ちで読み終えた時でした。高橋は私の年代より少し上の人たちに圧倒的な人気があった作家ですが、邪宗門は大本教の弾圧事件を題材にした小説です。私なりに乱暴にまとめると、吉里吉里人も邪宗門も自分たちの理想郷を作ろうとして挫折していく物語なのですが、同じようなテーマを扱っているのにその読後感の違いに驚いたのが最初に持った印象でした。
 また、吉里吉里人には「ズーズー弁の練習書」だったか、東北弁をスムーズに話すための教科書みたいなものが途中に載っていまして、それも非常に興味深く、何度も読んだ記憶があります。
 この「ズーズー弁の練習書」でわかるように井上は「言葉」について、とても鋭い感覚を持っていて、「日本語」に関する本も多数書いています。中でも「私家版日本語文法(新潮社)」は今まで何回読み返したかわからないぐらい、私も気に入っている本です。日本語についての本で大きく私の中に残っているのは、「本多勝一」の「日本語の作文技術」を除くと、井上の一連の著作群です。それだけ影響を受けてもこれぐらいの文章しか書けないとは、恥ずかしい限りですが。。。
 もう一つ、興味深く読んだ井上の作品の中には、昔、NHKの仕事をしていた頃のことを書いたものがあります。井上は「ひょっこりひょうたん島」の原作を山元護久と共に担当していたのですが、NHKの中で住み込みながら作業に当たったような、今では考えられないNHKでの仕事ぶりは、メチャメチャでありながらもうらやましく感じる、当時ならではのエピソードです。
 最後に一つ。「日本」と書いて何と読むか。井上は「ニホン」を取ります。「ニッポン」はオリンピックの応援にはマッチしますが、日本語の語感としては「ニホン」の方が美しい、と。
 まだ読んでいない井上の作品もありますが、これからも楽しませてもImage102らいますね。合掌。

 パル姫は避妊手術をして戻ってきました。ご苦労様でした。

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