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2011年1月16日 (日)

両河内の民話 西里伏木「藤の花」

2  昔、西河内の西里の伏木と言うところに祀ってあった氏神様の社が古くなってしまった時のこと。
「この社もだいぶ痛んできたのう。」
「氏神様もこれじゃぁ、あんまり気の毒だ。」
「村の衆をずっと見守ってくれている神様だんて、ひとつみんなで直してやるずら。」
そうして、社の修繕のために森の木を木挽きに切らせることにした。
 木挽きは境内にある一本の大きな木に斧を入れ始めた。
  コーン、コーン、コーン
 するとどうしたことか、その木に巻かさっていた藤がもう10月だというのに、たちまちに立派なつぼみを付け始めた。
    コーン、コーン、コーン
 木挽きが腕を振るう度に藤のつぼみはぐんぐん大きくなり、とうとう、斧を入れることができない程に花々が咲き乱れた。
 あまりにあたりが物凄くなってしまったので、木挽きは青くなって庄屋様のところへ駆け込んだ。
「大変だ庄屋さん。藤の花がすごくて、おらぁとっても怖くてこれ以上木は切れないだ。」
「ようし、大丈夫だ。これからわしが行って藤の花を散らしてみよう。」
そう言って庄屋様は境内へ出かけていった。なるほど藤の花が立派に咲いている。そこで庄屋様は歌を詠んだ。
 “藤咲くや 見事に咲いた 森の藤 木挽杣(そま)に 色をやるべし”
 すると不思議なことに花がみるみる間に散っていった。そうして木を切ることができ、その後も何のさわりもなかった。昔から森の木を切る時は神様に理由を言ってから切るものだと言われている。

西里伏木の白髭神社

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コメント

へー。
そうですよね。
何十年、何百年、生きてきた木が切られるわけだから、訳を聞きたいですよね。

やっぱ森には神様がいるんですね。

投稿: ぺっくんG | 2011年1月16日 (日) 20時42分

ぺっくんG さま

 やはり、神様はいるのでしょう。しかし、両河内の民話も集めてみると色々あります。ボチボチと紹介していきますね。

投稿: ももたろう | 2011年1月17日 (月) 10時08分

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