全国障害者芸術祭
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
日本自転車振興会(以下振興会)から社会福祉法人全国手話研修センター(以下研修センター)に対して支出された補助金取り消しを求めた裁判の第一回法廷が12月13日に東京地方裁判所でありました。私も全国聴覚障害者情報提供施設協議会の立場でこの裁判の傍聴に伺いました。
この補助金は二年前に研修センターがコミュニティ嵯峨野の建物改装の際に支出されたものですが、昨年になって「補助金が目的外使用されている」として振興会が半額の返還を求めたことに端を発しています。問題となっているコミュニティ嵯峨野の宿泊部門について両者の言い分は
☆振興会:営利事業を展開しているので補助の対象とならない
○研修センター:社会福祉法に定める収益事業で申請時に理解できたはず
と平行線のまま、何回か両者の話し合いがもたれてきましたが、結局振興会から補助金取り消しの訴訟が起こされたのです。
この日、傍聴に訪れたのは全日ろう連・全通研・士協会等から約60余名。法廷には入れたのは約半数でした。裁判は、訴状陳述・答弁書陳述と型どおり行われましたが、冒頭に全日ろう連理事長で研修センターの理事である安藤氏から意見陳述がありました(事前に裁判所へ要望していたものです)。安藤氏は手話やろう者の置かれた立場、その歴史から社会への働きかけ、その中で研修センターの占める位置等を述べ、最後に「今までの振興会とのやりとりも誠意を持って対応してきたし、申し出はまさに青天の霹靂」、と結びました。それに対し振興会の陳述は冒頭で「研修センターの活動に敬意を表し、その活動を妨げる意志は毛頭ない」と最大限の敬意の挨拶がありました。閉廷後松本弁護士の話しでは、「傍聴人が多数詰めかけたので、振興会のあの発言になったのだろう」との事です。しかし内容は「返却方法は分割払いなど柔軟にこちらも受け入れるので、とにかくお金を返してね」の一点張り。今日の第一回は20分程度で閉廷しました。研修センターとしては今後も公開法廷で続けていくことを求め、次回法廷は2月14日の午後に決まりました。その間に両者による進行協議が持たれることとなっています。
閉廷後東京地裁の隣にある東京弁護士会館で、弁護団による説明会が開かれ、研修センター、弁護団と傍聴者全員が参加しました。今回の裁判で振興会の体質、福祉に対する思想を問い直し勝訴に向けて全力で戦う、との決意が述べられ、その後質疑応答と続きました。その中で、
・ 今回のような判例は過去には見あたらない
・ 相手方(振興会)の言い分の真意はまだ不明である
・ 訴訟の性格づけを論議していく(契約の課題として論点を整理)
・ 今後どれぐらいかかるかは次回の様子を見ないとわからない
・ 傍聴席に座れず待合室で待っているだけでも裁判にはいい影響がある
・ 今後も多くの傍聴者がいることが望ましい
等の説明があり約1時間で説明会は終わりました。今後どのような取り組みが必要になるかはまだ不明ですが、裁判の行方を皆で注視していきましょう。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
今年度から職場で「盲ろう者生活訓練事業」を開始しました。ニーズが多かった「バソコン学習」をテーマに取り組んでいますが、周辺機器の発達で視覚と聴覚に障害を持つ方々にもパソコンは便利なツールとなっています。弱視ろうの方なら文字を自由に拡大するソフトや、全盲ろう(全く見えなくて全く聞こえない)の方でも、点字ディスプレイによって表示されるテキストを読むことができます。今まで通信手段がなかったのですが、これぞIT技術の正しい使われ方、だと思います。ただ、パソコンの使用は基本的にマウスを使う事を想定していますので、ショートカットだけではソフトの全ての操作ができなかったり、テキストを読み上げるソフトを使っても作業ウインドウの全ての文章を読み上げなかったり、と不都合な部分が多いのも事実です。また、入力も点字特有の「六点入力」ができるように設定するのですが、キーボードによっては対応できないこともあり、メーカーには考慮願いたいところです。
盲ろう者の生活はパソコンを使うことによって確実に広がっています。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
静岡県では12月第一週を中心として毎年各地で地域防災訓練が行われています。東海地震の危険がいわれてもう20年以上経ちますが、万一災害が起きた場合に耳の聞こえない方にも、きちんと情報が伝わる事が大切です。しかし、聴覚障害者はコミュニケーションがスムーズにとれないため、日常的にも地域の交流が薄くなりがちです。地域社会に聴覚障害者の存在や、生活上の不便さなどを知ってもらうためにも「聴覚障害者も積極的に地域の防災訓練に参加しよう」と本日の訓練に多数参加しました。
今日私も伺った静岡市南部の訓練は地区の総合病院も全面的に関わって「トリアージ模擬訓練」を実施していました。状況は見れば何とかわかるでしょうが、説明はやはり手話通訳なり要約筆記がつかないと通じません。今日は市から手話通訳者が3名派遣されていていました。
この7日には聴覚障害者緊急災害情報保障訓練がCS障害者法統一機構の主催で実施されます。私の職場もメイン会場になっています。これを機会に聴覚障害者の防災活動への取り組みもさらに活発にしていかなければ、と改めて思いました。災害直後の安否確認から情報保障体制の構築と、課題はいっぱいあるな。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
私が住んでいる静岡県で今一番ホットな話題は、平成16年度からスタートした県内全市町村での手話通訳派遣事業立ち上げの話題でしょう。今日は長文になりますがそれについて記しましょう。
事の初めは平成15年6月、同年秋に開催される全国障害者スポーツ大会「わかふじ大会」にむけて全県で取り組んでいる中、社団法人静岡県聴覚障害者協会(静聴協)・静岡県手話通訳問題研究会(静通研)合同会議の場で、「平成16年度から県手話通訳者派遣事業を廃止し、全ての市町村に手話通訳者派遣制度を立ち上げる」方針だと県から話しが伝えられました。その時から静聴協・静通研は障害者国体と派遣制度の二つの大きな課題を抱える多忙な日々が始まりました。
それまで、静岡県ではいくつかの市町で手話通訳者派遣事業を実施してして、それらの市町に住む県民の割合は80%以上でした。しかし、逆に想像すればろうあ者の20%の方々は一番身近な町村で通訳の保障が受けられない状態で県派遣事業を利用していたのです。これら派遣事業未実施の町村に派遣事業を立ち上げるべくかねてから働きかけをしてきましたが、ここで一気に具体化しそうな流れの中、静聴協・静通研は極めて重要な提起と受け止め、協議を開始したのです。
両団体が一番危惧したのは「制度はできたが内容が貧弱だったり地域間でバラバラだったり」という状態です。そこで、派遣制度にばらつきがでないよモデル要綱を作成し、市町村に示しながら制度を立ち上げていく方法で取り組みを進めていくこと県に申し入れ、合意しました。モデル要綱の作成には何度も会議が重ねられました。この作業は今までの私たちの取り組みを改めて整理することになりました。通訳制度の理念、手話通訳の専門性評価等、私たちはどのような制度を望んできたのか?また、今考えられるベストの制度はどのようなものか?を明文化する取り組みといえます。
全県下を統一するモデルの作成は初めての取り組みです。派遣事業がない町村では聴覚障害に対する理解もないのが残念ながら現実です。下手をすれば今後さらに市町村間で制度の格差や理解の度合いの差が大きくなっていく、との危機感を持ちながら取り組みは進み、16年度4月から2町を残して全ての市町村で手話通訳者派遣制度ができました。併せて、県派遣事業も聴障団体行事などで通訳が必要な場合、派遣できるように制度を残すことになりました。
今回の取り組みの成果は、制度面では「手話通訳はろうあ者健聴者双方に必要なものであり、併せて専門性の高い仕事である」と県も理解し、県派遣事業の要綱を改正し(例えば専門性の一つの評価ともいえる通訳料は3,180円/1時間となる)市町村派遣事業のモデルとなったこと。関連して、「人材育成は県の仕事」と役割を整理したため、手話通訳者養成事業や現任研修などの予算の大幅増額(平成17年度では年間約1千万円)があげられます。運動面では特に派遣事業のなかった地域で手話サークルとろうあ者が一緒になって、行政との関係作りをしながら事業が立ち上げに取り組んだことです。それにより、多くの町村でも聴覚障害者の生活や手話通訳の必要性に対する理解が進んだ、といえるでしょう。
そして、市町村派遣事業が立ち上がりろうあ者や手話通訳者にどのような影響があったのか、今各地域の通訳者団やろうあ者集団にアンケートを実施しています。どのような評価がでるか、楽しみでもあります。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
最近のコメント